2006.12.04 Monday
乙一「失はれる物語」
乙一
乙一の短編集。
この人の話は他にも読んだことがあるけど、そのどれもがちょっと怖くてどきどきして切なくて・・・。
他の誰にも似てなくて、この人だけが持つ世界。
そんな彼の持つ世界をそっと覗き見しているようなそんな気持ちでいつも読んでいる。
表題の失はれる物語も、絶望的な世界の端っこで静かに消えていく名もない人の物語だ。
こうなりたくないと思いながらも、もし自分がそうなったら・・・?と思わずにいられない。
「Calling You」は若干消化不良ではあったけど。
最後の「マリアの指」も見事にわたしの想像を裏切ってくれたよい作品だったと思う。
そのほかの作品も「そんなことあるわけない」と思いながらもそうだと断定しきれない物語ばかり。
そんなぎりぎりのラインで私たちを翻弄する乙一はこれからも私たちを引き寄せて止まないだろうなとなんとなくそう思う。
| maita-k | 本 | 20:28 | comments(0) | trackbacks(0) |
2006.05.06 Saturday
不思議な少年 (1)
山下 和美
時代も国も超越した存在である碧眼の「少年」が人間の原罪を時には冷たく、時には涙を流して見つめる。
一見すると人々の心を波立たせて心を惑わす悪魔のようにさえ見えるが、彼はあくまで、人の心の闇に手を触れ、問いただすだけなのだ。
時代や国を超越した存在が人間の繰り返す過ちを見つめ続けるというパターンは手塚治虫の火の鳥と共通しているが、この「少年」は人の歌声を素直に愛したり、涙したりするところもあって、火の鳥よりもう少し人というものに深入りしてしまうところに人間味を感じさせる。
そもそも、この少年が人間かどうかはわからないのだけど。
オムニバス形式なのでどの巻から読んでもいいかんじ。
2、5、6話があたしはよかった。
| maita-k | 本 | 23:20 | comments(0) | trackbacks(0) |
2006.05.06 Saturday
ヘブン・・・
鈴木 志保
明確な答えなどなくて、そしてそれを探す必要もなくて、ただそのままうけとめればいいのだと、そう教えてくれるような気がする作品です。
みんな愛されていた時代があって、やがて捨てられてしまっても、愛されていたという事実、そして今ももしかすると何かの拍子に思い出してくれているんじゃないだろうかというささやかな期待さえあれば、生きていく糧としては充分事足りるのかもしれません。
| maita-k | 本 | 23:10 | comments(0) | trackbacks(0) |
2006.05.06 Saturday
ハッピーエンド
ジョージ朝倉
ピースオブケイクではじめてジョージ朝倉をしって、それからこの人の本をもっと読みたいと思った。
そしてビレバンで買ったのがこの本。
えこちゃんがおすすめっていってたしね。
ハッピーエンドと銘打ったこの漫画は、ありきたりのハッピーエンドではなくて、もっとこう・・・なんていうんだろう「青春」っていう言葉の前でひたすら「青春なんてクソ食らえ」って思ってる人たちこそ青春してて、ハッピーエンドを素直に受け止められるんじゃないかと思えるようなそんな感じ。
ありきたりだとおもっていた日常が実はそれぞれが非常に微妙な確率の上でしかなりたっていないもので、そんな微妙な均整が保たれた世界はみんなが思う以上にあっさりと崩れてしまう。
ある日突然、現れて、そして去っていく。
出会いと別れなんてそんなもんだと覚悟しているようで我々はそれを受け止めるとき、とてもナイーブになる。
傷つきながらでも前に進まなきゃならないし、傷ついても時間は平等に流れていくし、やっぱり受け止めていかなきゃならない。
それに気づいて、諦めたときにこそ、すべてを受け入れる心の広さがうまれるのかな、なんて思ってみたり。
だめだ、ぜんぜんまとめになってねぇ。
| maita-k | 本 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
2006.05.06 Saturday
のだめカンタービレ(1〜5)
二ノ宮 知子
ようやくはじめて読んだよ!のだめ!!!
友達がめちゃんこおもしろい!っていうから読んでみた。
まだ6巻の途中までだけど。
のだめかわいいねー、おもしろい。
うきゅとか時々発す言葉が友達に似て。(友達がまねてるのか?)
ちょっと抜けてるけど、ピアノの才能は素晴らしいっていうのがいいね。
ま、千秋が矯正してやらんとまっとうなピアノ弾きにはなれないっていうところもかわいい。本人は幼稚園の先生になりたいといって、だめだしされていたけど。
千秋が「自分が一生懸命なときはちょっかいだされるのうっとうしいんだよな」みたいなことを考えてるシーンがあって、あー、そうなのかもな。
ってふととある人のことを考えてみたり。
あ、一生懸命かどうかはしらないけど、少なくともあたしはうっとうしがられている気がします・・・。
のだめみたいにほっとけない存在になりたいなー。ほんとに。
| maita-k | 本 | 20:53 | comments(0) | trackbacks(1) |
2006.05.06 Saturday
嬢王
倉科 遼 紅林 直
夜王と原作者同じなんだけど、漫画描いてる人が違う。
こっちは系統としては江川達也ぽい。
夜王のでかくはっきりとしたコマ割をみてからこっちみると、すごく読みづらい。
でも、こっちのほうが女の子かあいいね。
ドラマでは主人公以外AV女優がやってたんだけども、漫画自体はそんなにエロくないのでは?とかおもった。ま、青年誌だから、むやみに主人公の入浴シーンが入るけども。
あ!でも確かにやたらめったらHシーンが入ってる回もあったな。
ま、夜王も「いや!それふつーにエロ漫画だから!!ぼかしいれてるし!!」とか思うシーンもあったな。(苦笑
こういうのは公然では読めません。
どっちのほうがおもしろいっていったら、うーん、どっちだろう。
夜王はヤクザからみすぎだしな。
嬢王はちょっとコマ割がわかりにくいし。
でも、ま、どっちも面白いです、たぶん。
嬢王は3巻まで読んだので、とりあえず最新刊までは読みたい。
| maita-k | 本 | 19:45 | comments(0) | trackbacks(0) |
2006.05.03 Wednesday
ピース オブ ケイク
好きになるつもりなんてなかったのに、好きになっちゃう
好きな人には同棲している彼女がいるのに
しかも好きな人は自分の家の隣で同棲している
そんなシチュエーション、そうそうないんだけど、この漫画ではそれをあまり違和感なく描いている上に、女性独特の微妙な恋心を描いている。
シチュエーションは違っても、こうやって泣いたことあるよね?こうやって切なくてどうしようもなかったことあるよね?って思ってしまうシーンが多々。
ありえないとわかっていても、主人公の挙動が自分の恋愛に重なっていくこの苦しさ。
こんなの帰宅途中の電車の中で読むもんじゃないね。
もう自分の気持ちがぐちゃぐちゃにかき乱されて、自分がなにものか、どこにむかっているのかさえわからなくなる。
| maita-k | 本 | 09:07 | comments(0) | trackbacks(1) |
2006.04.24 Monday
夜王
倉科 遼
井上 紀良
いや、実際は13巻まで読んでるんだけど、表紙はこっちが好きだったのでこれを。
この漫画についてこれだけがいいたい。
表紙の絵と中の絵が違うんですけど。
描いてる画材が違うからなんだろうが、表紙の遼介はとってもかっこいいのに、中の遼介はなんか違う・・・。かこわるいよ?
あ、あとホスト漫画なのに、ヤクザとかマフィアとか絡みすぎ。
実際歌舞伎町のホストはあんなにヤクザの抗争とかに巻き込まれてるんですか・・・!?ガクブル。
あとね、遼介は人にすぐに惚れすぎ。
麗美さんのことあんなに愛してたのに、中国人の人にもう惚れてるし!!
あたしゃ、もう一生麗美さんだけを愛していくのかと思ってたのでかなしかったよ・・・。まぁ話の流れ上、女を好きになってその人のためにがんばるっていうことにしなきゃうまくいかなかったんだろうけどもよぉ。
| maita-k | 本 | 22:38 | comments(0) | trackbacks(0) |
2006.04.20 Thursday
BECK(26)
ハロルド作石
BECKも気がつけば26巻・・・。
読み始めたときはまだ21巻くらいだったんだけど、あっちゅーまだな・・・。
だいぶ絵もうまくなりました。ハロルドさん。
さて。
真帆があまりにもでてこなくなって、BECKの最初のころに出てた女の子を思い出したりしてた。あのこ急にフェイドアウトしちゃって、今はその存在自体もうみんな覚えてないんじゃないか?ってくらいなんだけど。
で、このごろでてきた紗耶香が今度は真帆の代わりかー!?とか思ってたら、真帆はちゃんと今でも話にしっかりと絡んできてて安心した。
紗耶香が花火大会で手を繋いだのに、コユキが帰っちゃうシーンとか微妙に泣ける。あたしはきっと紗耶香のほうなんだろな、人生的には。いつもこうやって負けるほうです。だいたい。
って、あたしはどうしてバンド漫画としてじゃなくて恋愛漫画としてみちゃってるんだろう。と気づいたときに、あーこれってそういう話も絡んでるから面白いんだなと改めて気づいた。うまいですね、ハロルドさん。
| maita-k | 本 | 22:31 | comments(0) | trackbacks(0) |
2005.11.20 Sunday
暗いところで待ち合わせ
乙一
乙一の作品の中でもサスペンスというより癒される作品。
途中であ、この人多分物語のキモに関わってくるんじゃないの?って思ってた人が見事にそうだったので、そういう意味では甘いのだけど、ありえない物語をまるで本当にありえそうにそして素直に書いた点は評価したい。
ハラハラしながらも少し癒されるなんてそんな物語そう簡単にかけるもんじゃないし、乙一のその発想と技術はさすが天才といわれるだけあるなぁと。
映画化するそうだけど、キャストが気になる・・・。
| maita-k | 本 | 23:13 | - | - |
2005.11.20 Sunday
春の雪
三島 由紀夫
「豊饒の海」三部作のうちの一作目。
本多という青年が語り部として物語を進めていく。
その中に出てくる一組の男女がこの作品では主人公にあたる。
聡子と清顕がそれである。
映画では竹内結子と妻夫木聡が演じたが、やはりこの物語が描き出す世界は今の世界にはふさわしくない気がした。
技術は発達したけども、その技術でカバーしきれるものではない。
三島の描く世界は映像化するにはあまりにも美しすぎるからである。
三島がつむぎだす言葉からわれわれの心の中で描き出される幾多の情景はどんなに美しいと有名なロケ地で撮影しても、どんなにすぐれたCGを使っても、われわれを満足させることはできないだろう。
人々の心にこれほどまでに強く麗しい情景を想像させる力は三島の才能に他ならない。
| maita-k | 本 | 22:58 | - | - |
2005.08.07 Sunday
きょうの猫村さん
ほし よりこ
@NethomeでWeb連載中(1日1コマ)のなぞの猫マンガ。
猫なのに家政婦として働いている猫村さんの周りで起きる、いや、猫村さんが巻き起こす出来事が非常にチープでシンプルな鉛筆画によって描かれている。
猫村さんのお気に入り番組「大仏刑事」のエピソードが微妙におかしかった。
ネコムライスたべてみたい!
| maita-k | 本 | 13:32 | - | - |
2005.03.23 Wednesday
げんしけん
げんしけん (1)
木尾 士目
講談社 2002-12
売り上げランキング : 1,279
おすすめ平均
Amazonで詳しく見る
by G-Tools
以前からきになっていた「げんしけん」。
この言葉の意味が知りたいなぁと思いながら「原子研?」とかおもっていたのだけど、実家に帰ったら兄の本棚に発見。
いまんところ5巻まで出てるのかなぁ。とりあえず4巻くらいまで読みました。
感想としてめっちゃ読みにくい。コマが細かいのかな・・・。内容としてはおもしろいんではないかな。
リアルなオタクの日常が描かれているところがこの漫画の売りなんだと思うので、その点ではいい感じだなぁと思う。
実際うちの兄はこんなかんじなので。
しかし、美形なのに激しくオタクっていうキャラとその彼女が美人っていうのがこの漫画の世界観を微妙にリアルじゃなくしているのが、気になるところ。
とことんリアルにしてしまえるところをこのキャラたちが絶妙に崩してくれているので、それが反対に面白くて人気なのかもしれないなぁ。
でも、ちょっと私向きじゃないのかもな・・・なぜかよくわからないけど読むの疲れました。
| maita-k | 本 | 15:23 | - | - |
2004.12.27 Monday
The Angel's Message
伊藤 守
by G-Tools
こんな本を買っていたらあたしの彼だった人なら嫌がるだろうな、と思いつつ購入。
人生訓とかHowto本(「こうすればあなたも愛される!」みたいやつ)は実はあたしもあまりすきじゃない。
でも、こうやって人生の岐路に立たされているとき、思いもかけずこういう本の一言に強く心を動かされるときがある。
こういう言葉を必要としなくても幸せに生きていける人はきっとそのまま通り過ぎてもいいのだと思う。
ただ、こういう言葉に触れなければ立っているのがやっと、という人にとってこれは大切な道しるべになることもあるのだろう。
日常の会話の中にはきっと出てこない言葉の数々。
実際に言葉に出して言われてもくすぐったくなるだけなのかもしれないから、これは読んで自分の中で自分の置かれた状況に照らし合わせてじっくり受け止めていくほうがいいのだと、そう思う。
自分にとって大事に思えない言葉は読み飛ばしたって構わない。
100の言葉があるのなら、そのすべてを受け止める必要はなくて、その中でひとつでも乾いてしまった大地に水が染み込むように自分の中に染みてくる言葉があればそれを反芻するだけでもだいぶちがうんじゃないかな。
いずれそうやって気持ちのほころびは癒されていくのだと思うし。
こういう本を買わずに気付かずに救いを求めずに生きていけるなら本当はそれが一番なのだけどね。
| maita-k | 本 | 18:44 | comments(0) | trackbacks(0) |
2004.11.17 Wednesday
さくらん
『男の極楽、女の地獄。ここは遊郭、江戸吉原。』
吉原を舞台にした漫画。
主人公きよ葉のいい意味での「悪さ」が素敵。
女の世界で生きていくために粋がるんじゃなくて、生まれ持った天性の粋で吉原を生きる。
殴られようが陰湿ないじめにあおうがきよ葉は自分を失わない。
いつでもきよ葉はきよ葉であって、それ以上でも以下でもない。
啖呵だってきる、男にも惚れる、取っ組み合いのケンカもする。それはすべて誰かのためじゃなくて自分のため。
ワルなんだけど、なにかをひがんでそうしてるわけじゃないところがかっこいいね。
男の世界にはない独特の毒々しさと華やかさの世界で生きる女性の心理を今の一般人にも共感できるようにしたてあげているのがうまい。
特に最後のコマの「てめぇで帰ってきやしたのさ」(だっけ?)っていうのが最高。
女の怖さと粋の絶妙なミックス感。
江戸時代なのにみんな顔が現代風(目が大きくて睫が長くてあごが小さい)なんだけども、それはご愛嬌かな。
安野が描く吉原なんだからね。
| maita-k | 本 | 17:41 | comments(0) | trackbacks(0) |
2004.11.17 Wednesday
20世紀少年
浦沢 直樹
関連商品
20世紀少年―本格科学冒険漫画 (1)
20世紀少年―本格科学冒険漫画 (15)
20世紀少年―本格科学冒険漫画 (16)
20世紀少年―本格科学冒険漫画 (17)
Monster (11)
by G-Tools
浦沢直樹の漫画はMONSTERしか読んだことないんですが、これもおどろおどろしくていいですねぇ。
怖いです!!!正直、妙に怖いです!!お化けとか超常現象とかそういうことじゃなくて人間の心の闇とかそういうのを見せ付けられているみたいで。
たしかに「冒険漫画」だけどワンピースみたいなのとは全然違う。
"ともだち"こわいよー、こわすぎるよー。あたしが読んでいる巻ではすでにケンジは死んだことになってるけど、ほんとにそうかなー。
あたしはあとからケンジが出てきそうな気がするんだが。
| maita-k | 本 | 12:38 | comments(0) | trackbacks(0) |
2004.11.17 Wednesday
好きなのは誰?といわれたら、サンジとロビンなわけですが。
尾田 栄一郎
関連商品
One piece (巻33)
One piece (巻32)
ONE PIECE 巻35 (35)
One piece (巻31)
One piece (巻30)
by G-Tools
最新刊はまだ読んでないので34巻のジャケットで。
ワンピースいいですねぇ。いまさら28歳のOLがこんなものにハマっていいのかと小一時間・・・。
まぁ、あたしの親友リンダさんはかなり以前からファンで、この尾田さんの複製原画(ネットで早いモン勝ち)までもってるくらいなので当然のことながら全巻(既刊分)持っているのですけど、彼女んちで読ませて頂いて、あー、いいねぇ。読みにくいけどいいねぇ!って思った。
読みにくいっていうのはひとコマひとコマの描写が細かいというかごちゃごちゃしてるからなんだけど、それは不快感ではない。
この尾田さんの漫画を愛する気持ちが伝わってきていいなぁと思います。
あたしみたいに一気読みする人間にしてみれば細かい描写は少々目が疲れるよねーみたいなレベルです。ええ。
| maita-k | 本 | 12:13 | comments(0) | trackbacks(0) |
2004.11.12 Friday
ヘルタースケルター
立ち読みで読んだ。
りりこの生き方はすごいけど真似したいとは思わない。
すべて虚飾の世界で生きていくために、その体も(ほぼ)すべて偽り。
それはある意味、心も偽っているのだと思う。
偽りだけで生きていく、いつか破綻すると知りながら。
怖いけど、そこに陥る人が多いのも確か。
・・・すでに あたしも?
| maita-k | 本 | 19:04 | comments(0) | trackbacks(0) |
2004.09.27 Monday
暁天の星 著:椹野 道流
とある方に薦められて読んでみた。
しょっぱなからある登場人物が現実のある人に似ており、今の私の心情ではとても読めず数ページで一度リタイヤ。
さすがに辛かったのだけど、それだけで読まないわけにもいかず、再挑戦。
昨日の夕方の電車の中で読み始め、今朝の通勤電車の中で読了。
読みやすかったが、オチがオチでないところにイマイチ消化不良なものが残る。
| maita-k | 本 | 19:09 | comments(0) | trackbacks(0) |
2004.09.24 Friday
夏と花火と私の死体 著:乙一
作者が16歳のときに書いたデビュー作。
16歳とは思えない描写力に圧倒される。
ただ、主人公は9歳の少女でその少女が語り手となっているのだが、9歳にしてはここまで描写力があるのはちょっと不自然・・・。
しかし、ストーリーの組み方がうまいのでぐいぐい引き込まれる。
とにかく、最初の数ページ目で早速主人公が死んでしまうのが衝撃的。
この予想外の展開でふいうちをうけた読者はこの語り手がどうなってしまうのか、気になってしまうのである。
| maita-k | 本 | 19:06 | comments(0) | trackbacks(0) |
2004.09.23 Thursday
戦闘妖精・雪風(改) 著:神林 長平
DVDから先にみて、そのあとから読んだ。
航空関係の専門用語とか全く疎い私だけれど、別にこの作品は専門用語を知らなくても、読み応えがあってよかった。
というか、これは戦闘機の話じゃなくて、戦闘機に乗る人、乗る人を地上から見守る人の物語だ。
どれだけ世界が機械に支配されて人を必要としなくなったとしても人は人でありつづけるしかない。
機械に自分たちの居場所を奪われ、それでも、人が人でありつづけるためにその存在価値を見出そうとする。
この作品では地球外の敵「ジャム」との戦いに従事する人たちを描いているが、戦いにおいて人の判断のファジーさは危険なものだと見なされ、徐々に戦闘機にも無人タイプが採用されている。
機械の判断力、認知力に匹敵するためには人も機械のようにならなければならないという状況下において人は人足り得るのか。
| maita-k | 本 | 19:04 | comments(0) | trackbacks(0) |
2004.09.13 Monday
黒祠の島
「屍鬼」で有名な(のかな?)小野不由美の作品。
amazonによると
●本格ミステリ3位(原書房『2002本格ミステリーベスト10』)
● 『ダ・ヴィンチ』4位(Book of The Yearミステリー部門)
だそうです。
| maita-k | 本 | 18:51 | comments(0) | trackbacks(0) |