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2004.09.24 Friday

夏と花火と私の死体 著:乙一

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夏と花火と私の死体
乙一

発売日 2000/05
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作者が16歳のときに書いたデビュー作。
16歳とは思えない描写力に圧倒される。
ただ、主人公は9歳の少女でその少女が語り手となっているのだが、9歳にしてはここまで描写力があるのはちょっと不自然・・・。
しかし、ストーリーの組み方がうまいのでぐいぐい引き込まれる。
とにかく、最初の数ページ目で早速主人公が死んでしまうのが衝撃的。
この予想外の展開でふいうちをうけた読者はこの語り手がどうなってしまうのか、気になってしまうのである。

最後のオチもストーリー内に点在していた伏線が急速に一つの形となって畳み掛けるように物語を終息させる。
このラストには確かに途中で読めてしまう読者がいるのだけど、私は結構最後まで気付かず、意外性を感じるとともに非常に素直に納得してしまった。
そして、この文庫本にはもうひとつの作品「優子」がおさめられているわけだが、この「優子」も非常にミステリアスで官能的である。
こちらのオチのほうがより意外性が高く、今までにない魅力を感じさせる作品だと思う。
作者の別の作品もぜひ読んでみたい。

| maita-k | | 19:06 | comments(0) | trackbacks(0) |










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