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2006.05.07 Sunday

バタフライ・エフェクト ディレクターズカット

バタフライ・エフェクト
プレミアム・エディション

アシュトン・カッチャー
エリック・ブレス
J・マッキー・グラバー
B000AM6R00

レンタルでみたバタフライ・エフェクトにはエンディングが2種類あって、どちらもそれなりな感じがしたんだけど、実はもうひとつディレクターズカット版というのが存在している。
それは販売されているDVDにしかついてないものだったので、あたしはわざわざこれを購入した。
わざわざと書いているけど、買っても無駄ではないというか買う価値があると思うものだから、問題ないのだけど。
ディレクターズカット版はレンタルDVDについている2つのエンディングとはさらに趣きを替え、さらに衝撃的な、まさに自己犠牲の究極の形をとっている。
今までこんなハリウッド映画があっただろうか。
確かにあまりにもハリウッド向きではないために劇場公開版はまったく異なるエンディングを用意せざるを得なかったわけだが、それでも、この映画はタイムパラドックスによっておきる矛盾さを感じさせないいわゆるジェットコースタームービーとして見事に完結している。
もちろん、「感じさせない」のはその映画を見ている間であって、見終わると「・・・あれ?」と思うようなところは多々あるのだけど、それを補っても余りある充実感が得られるだろうとあたしは思っている。

超映画批評で99点がついたことは以前も書いたレビューですでに述べたが、その当時あたしは勘違いをしていて、最大の伏線は彼女へのメッセージであると書いている。
どうやらこれは間違いらしくて、2chのまとめサイトではその謎が解明されている。
あたしは脳の損傷にまったく気がつかないでいて、このまとめサイトではじめて気がついた。そういえば最後のほうでは確かにもう助からないというような話になっていたなぁと。
あと、もうひとつわからなかったのが最初と最後に出てくる主人公のエヴァンのメッセージ「これを誰かが見つけたら計画は失敗した証拠。僕は死ぬ。」これがわからなかった。
ディレクターズカット版をみて、ようやくその意味がわかったんだけど、でも「死ぬ」というところがわからなかった。
失敗したということは自殺が失敗し、エヴァンが生まれてしまったということであって、死ぬことではないのでは?と思っていたのだけど、これも2chまとめサイトで

タイムスリップして未来を変えるのに失敗してる=脳が負荷に耐えられず自分は脳死してるだろうってこと。

と答えが。
ということはいずれにしてもエヴァンのたどる道は「死」しかないのだろうか?
成功すれば、自分はそもそもこの世にうまれてくることがない
失敗すれば、脳の損傷が限界に来て、死んでしまう
だとしたら、主人公エヴァンのたどる道はあまりにも残酷で儚いものだ。

愛する人を守るために、過去のさかのぼり続けた結果が、「死」でしかないのだとしたら、彼の幸せとはいったいなんだったんだろう?
映画で彼は最良の選択として「死」を選び、それが全うされたのだから、それが幸せなのかもしれない。
事実、そうしたことで彼の周りの人はすべて幸せになったのだから。
でも、自分がこの世に「生」を受けたこと自体が周りの人の不幸に繋がるなんて、そこまでさかのぼらなくては幸せになれないなんて、あまりにも切なすぎやしないだろうか?
あたしたちはエヴァンのように時間を遡ることはできない。
だから、生まれてくることを自分の意思で拒否することは出来ないけど、もし自分が生まれてきたことで自分の愛する人たちが不幸になるのなら、生まれてこない、という選択もしてしまうのかもしれない。
生まれないことで、人が幸せになる確証があるのなら、の話だけど。
確証がないのなら、やっぱり生まれて自分の手で幸せにしてあげたい。
それがどんなにつらくても、大変でも。

| maita-k | 映画 | 21:43 | comments(0) | trackbacks(1) |










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