2006.05.06 Saturday
不思議な少年 (1)
山下 和美
時代も国も超越した存在である碧眼の「少年」が人間の原罪を時には冷たく、時には涙を流して見つめる。
一見すると人々の心を波立たせて心を惑わす悪魔のようにさえ見えるが、彼はあくまで、人の心の闇に手を触れ、問いただすだけなのだ。
時代や国を超越した存在が人間の繰り返す過ちを見つめ続けるというパターンは手塚治虫の火の鳥と共通しているが、この「少年」は人の歌声を素直に愛したり、涙したりするところもあって、火の鳥よりもう少し人というものに深入りしてしまうところに人間味を感じさせる。
そもそも、この少年が人間かどうかはわからないのだけど。
オムニバス形式なのでどの巻から読んでもいいかんじ。
2、5、6話があたしはよかった。
| maita-k | 本 | 23:20 | comments(0) | trackbacks(0) |
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