2005.11.06 Sunday
ヴァージン・スーサイズ
[映画]
ヴァージン・スーサイズ
ジェームズ・ウッズ
キャスリーン・ターナー
キルステン・ダンスト
ソフィア・コッポラの初監督作品。
1970年代のアメリカのごく平凡で保守的な街にすんでいた5人姉妹の自殺を回想する男性によって物語は進む。
末娘の自殺を皮切りに美しい姉妹たちの一瞬の煌きが古ぼけたフィルムのような独特の色彩感覚で描かれるさまは非常に美しい。
特に、四女役のキルスティン・ダンストの美しさが印象的。
思春期の少女にしてはバランスの取れたスタイルとスローモーションで映し出される彼女の微笑みは男性でなくてもぐっと引き寄せられるだろう。
この映画は5人姉妹の中でも特に奔放なこの四女を中心に据えることで、思春期特有の少女のあいまいさ、物憂げさ、そして、つかみどころのないその奔放さをうまく描いていると思う。
キルスティンの顔つきがちょうど愛くるしいものではなく、少し憂いに満ちたものだったのも功を奏しているだろう。
彼女たちをとりまく男の子たちはこの姉妹に惹かれながらもその本質をつかみきることができず、反応のあったことだけに必死になる。それが彼女たちのごく一部に過ぎないことを知る前に、彼女たちは彼らの元を去ってしまうのである。
このはかなげさ、未消化さがまさにこの物語の訴求点で、回想している今でさえ、彼女たちの自殺の理由を求めているあたりに、永遠に理解されることの無い思春期の少女の本質を描いているのだと思う。