2007.01.04 Thursday
デラックスカタログ
(期間限定生産)(DVD付)
天野月子
天野月子のベストアルバム。
ギターを持って歌う、ちょっと企画系というか演出系アーティストはことごとく、椎名林檎のパクリとか偽者とかいわれていて、つっこもその被害をうけたけど、5年間やってきて、全然違うってことがこれで明確になったんではないかと。
確かに椎名さんも素敵ですが、彼女とはまた違う世界がここには広がっていて、あたしは断然こちらが好き。
彼女の魅力としてはどんなものでも歌の世界に取り込んでしまえること。
トランプのジョーカーだってネタになる。→「JOKER JOE」
「52人の軍団に入れなかった人」なんてそんなかっこいい形容で歌にしてしまえる。
「pigeon」(ベストには未収録)は自分の家に来る迷惑な鳩の歌だし。
「恋」(ベストには未収録)では燃えないごみの日に早起きし、ちゃんと化粧して偶然を装って片思いの男性とゴミ捨て場までの道を一緒に歩いたり、代理でペリカン便預かったりする女の子の歌だし。
それだけじゃなくて、タイトルや歌詞自体もとてもおちゃめでかわいい。
「時計台の鐘」ではデートに間に合わない遅刻の理由を「献血してましたの」なんていっちゃう。
「ウタカタ」のカップリングは「ウララカ」
「烏」のカップリングは「硝子」
「梟」のカップリングは「国道」
「風船」のカップリングは「光線」
「混沌-caos-」のカップリングは「かぼす」なのである。
彼女なりのこだわりが随所随所に感じられて、とてもかわいい。
そして、おちゃめな歌とはまったく対照的に壮大な世界観や幻想的な世界も描けるのがつっこのすごいところ。
テクモから発売されたホラーゲームのタイトル曲となった「聲」や「蝶」などでそちら方面にもファンを増やしているし、彼女の描く世界とその表現力には目を見張るものがある。
「聲」
蝕んでいく 記憶の破片 わたしを塞ぐピアスが足りない
忘れてしまう ぼやけてしまう あなたの聲が雑踏に消える
「蝶」
叫んでも聞こえぬなら
その手で壊してほしい
まだわたしを「わたし」と呼べるうちに
とても神秘的で壮大な歌詞もかわいらしい歌詞もかけるのは元々演劇をやっていたことも影響しているのかも。
そしてシングル5枚リリースをしたときのPVは尾道で撮影されたのだけど、そのときの衣装のデザインはつっこ本人らしい。ちゃんと曲ごとにそれぞれの世界観を明確に持っているからこそできるんだろうなと感心するばかり。
つっこのPVをみていると、なんだか髪の毛を真っ黒なストレートにして、緑のカラコンをいれたくなるのはたぶんわたしだけではないはずだ。
それくらいとても魅力のある、そして影響力のある女性だと思う。
| maita-k | 音楽 | 18:33 | comments(0) | trackbacks(0) |
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