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2007.01.04 Thursday

DODECAGON

DODECAGON
キリンジ
B000IFRWJE


アルバムを聴いて、思ったのは

安らぎながらわくわくする

そんな不思議な感想だった。
電子音から始まる上質なポップは紛う方無きキリンジそのもの。
堀込弟のvo.と電子音はものの見事に交じり合う。
その融和性に安らぎとそしてわくわくする気持ちも交じり合う。

しかし、一方このアルバムでは様々なジャンルの音楽にも挑戦している。
そのどれもがキリンジとしての形を明確にさせるために行われた施策でもあるのだ。
それはインタビューで彼らも
「すべてエレクトロっぽいとかひとつの傾向に突っ走るのは性分としてできない」
と答えているとおりだと思う。

様々な音楽にあえて自分たちのソングライティングをぶつけ、混ぜ合わせることでそこから新たに生み出される方向性、そして従来の彼らのオリジナリティが明確に描き出されている。
いや、たとえ電子音に偏ったアルバムもしたとしても、彼らの作り出す音と歌詞、世界観はそこから明確にキリンジとしての形を浮き彫りにするだろう。
そこを十分に理解しているからこそ、あえてバラエティーに富んだアルバムとしている気がする。
そしてそれはそれぞれがしっかりと主張し合っているが、トータルしてみると、キリンジとしての形を成すまさに十二角形(dodecagon)のようなアルバムなのだ。

| maita-k | 音楽 | 18:17 | comments(0) | trackbacks(0) |










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