2005.11.20 Sunday
暗いところで待ち合わせ
[本]
暗いところで待ち合わせ乙一
乙一の作品の中でもサスペンスというより癒される作品。
途中であ、この人多分物語のキモに関わってくるんじゃないの?って思ってた人が見事にそうだったので、そういう意味では甘いのだけど、ありえない物語をまるで本当にありえそうにそして素直に書いた点は評価したい。
ハラハラしながらも少し癒されるなんてそんな物語そう簡単にかけるもんじゃないし、乙一のその発想と技術はさすが天才といわれるだけあるなぁと。
映画化するそうだけど、キャストが気になる・・・。
| maita-k | 本 | 23:13 | - | - |
2005.11.20 Sunday
春の雪
[本]
春の雪三島 由紀夫
「豊饒の海」三部作のうちの一作目。
本多という青年が語り部として物語を進めていく。
その中に出てくる一組の男女がこの作品では主人公にあたる。
聡子と清顕がそれである。
映画では竹内結子と妻夫木聡が演じたが、やはりこの物語が描き出す世界は今の世界にはふさわしくない気がした。
技術は発達したけども、その技術でカバーしきれるものではない。
三島の描く世界は映像化するにはあまりにも美しすぎるからである。
三島がつむぎだす言葉からわれわれの心の中で描き出される幾多の情景はどんなに美しいと有名なロケ地で撮影しても、どんなにすぐれたCGを使っても、われわれを満足させることはできないだろう。
人々の心にこれほどまでに強く麗しい情景を想像させる力は三島の才能に他ならない。