2004.10.12 Tuesday

時計じかけのオレンジ

時計じかけのオレンジ
パトリック・マギー

ワーナー・ホーム・ビデオ
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スタンリーキューブリックの名作。
直接映画を見ていなくてもタイトルとかジャケットなら知っているってひとも多いと思う。
わたしはまさにそれで、ずっと作品は知っていたけどみたことがなかった。
で、今年みたわけだけど。
率直に言うことを許されるのであれば、これほどの悪をわたしは知らない、といいたい。
きっとこの映画をPTAの方が見ればまっさきに青少年に有害な作品としてピックアップすることは想像に難くない。
彼らの行う行為について我々が認識しうる言葉で端的に表現するならば「悪」以外の何者でもない。
しかも純粋な悪、である。
そこに苦悩や葛藤は存在しない。

彼らの存在する世界は室内や衣装に斬新な近未来、前衛的な表現を垣間見ることはできるが非日常に囲まれた世界でもなんでもなくごく一般的な世界だ。
そこで老人を殴打したり、レイプしたり、殺人を犯す。
純粋な悪に対する嫌悪感はどこから生まれてくるのかわからないが、少なくとも彼らの行為に対して親近感は湧かない。
まぁ、今の日本では彼らの行為よりももっと凶悪な犯罪が行われているのでキューブリックがこれを作った当時ほどショッキング性、恐怖や嫌悪感は薄れてしまっているのだけど(それはそれで怖い)この映画自体の狙いは結局のところ、人間の凶悪性、純粋な悪を映像的に表現したかったのだとあたしは思う。
別に彼らに共感して欲しくてつくったわけじゃないはずなので、この映画を見て「主人公が最低だ」「最低な映画だ」と評するのは少し視点や論点が違うのだろう。

いろんな意味でこの映画はすごいなぁ、と思う。

| maita-k | 映画 | 23:10 | comments(0) | trackbacks(0) |